ひーめさん!
久しぶりだな~。ほら、土産だ。あんたにやるよ。
こんな壁に囲まれてちゃ、ろくろく昼寝も
できやしないだろ。
だから、ちったぁお花見気分でも味わわせてやろうと
思ってよ。綺麗だろ?
山桜に山吹、菫に菊花、水仙、菜の花とくれば
大輪の牡丹ははずせねぇ。
まぁ、姫さんの笑顔の前には霞んじまうけどな。
――しんどくなったら、いつだって呼べよ。
また、あの頃みたいに飛んでやるよ。
あんたが望むなら、今すぐにでも。
王様が、民や国の事を考えない時間を持っちゃ
いけない道理はねぇだろ?
あんたは一個の人間なんだ。わっと泣いて、
ぱーっと笑って、そんな時も必要だろ。
俺が言うから、間違いない。
さぁ、行こうぜ!